一つの大きな大陸に二つの小さな大陸

世界にあるのはそれだけ

あとは小さな島国があるだけ

そんな世界の大きな大陸をドラゴングラウンドと呼び

小さな大陸ヘブンランドと呼ぶ

七頭の竜王が住むとされるドラゴングラウンドと、全ての始まりで希望の地であるヘブングラウンド









ドラゴングラウンドには大きな国が七つあり。

それぞれの属性の竜王が神とされ、祭られる。

そして年に一度それぞれの竜王が一斉に天へと飛翔するとされる日に盛大に行われる祭り

どこもかしこも敵味方や差別もなく過ごしてきた。

互いの助け合いがあってこそ、今があるのだと誰もが考えていたから。

そんなある日、地の属性の竜王を奉る国アーグラスの王が急遽命を落とし、大勢いる中の一番長男である男が即位した。

長男といっても、本来は彼の上に二人の兄がいたが、生まれて間もなく死んだり、不慮の事故で命を落とし、自動的に三男でありながらも長男扱いされてきた男だ。

それが全てのはじまりだった。






その男は、ドラゴングラウンドにある七つの国を一つの国とし、世界までもを一つとして支配しようと企んだ。

そして、男は隣にあり、一番近い緑を愛する国民と緑と癒しを司る竜王を神とする国グリディアンを侵略し、突然だった事と元々戦闘能力のない彼等はあっけなく捉えられ、国王は処刑され、親族達も奴隷のように扱われ、今までのような平和な時間は消えようとしていた。

その後も男は侵略を続け、風の竜王の国ウィーリアと、戦闘能力でそこまで弱くはない闇の竜王の国クヴェーラまでも支配した。

全てが男の支配下に落ちるのは時間の問題だとされたが、全ては男が上手く行くようには出来ていない。

それが、運命というものだ。

そして、それがこの世界にまだ七頭の竜王をまとめる神が希望を残してくれているのだと、誰もが思った。

この世界では王族同士の結婚もあり水の竜王の国ウォルディアと光の竜王の国ライシェリアは婚姻関係で結ばれ、一人の息子がいると言う。

だが、誰も見たことはない姿。噂ではこの世界の神に成りえる程の力を持つとされる子供。

そして、風の王国ではすでに子供達は他の国へと移され、何人か捕らえても、顔の知らない者もいたので、全員取り押さえる事は出来なかった。特に捕らえたかった力を持ち賢い子供を捕らえることは出来なかった。

現在、風と闇のそれぞれの王は捉えられて、処刑される事はなくアーグラスの地下にある牢獄でひっそりと生きている。

それを希望に、ウィーリアの王に一番近いとされ、男が一番捕らえたいと思っていた子供が決意する。いつか、男を倒し、世界を元に戻るのだと。

下手に水と光には侵略する事が出来ない男。

だが、着々と手を伸ばす。今も火の竜王の国を支配下に治めかけている。

それと同時に、男の暴走を止める為の策も少しずつ立てられている。

未来がどうなるかなんて誰にもわからないが、最後に残るのはこの世界を守護する神が選んだ者。

それが男か、それとも立ち向かおうとする子供か。

























..希望を背負う子供..


























水の竜王を神とする国、ウォルディア。

いつか戦いとなるその日までに戦闘技術や身を守る術を身につける学校があった。

そこで、二人の天才と、二人の医学のエキスパートがいた。

そんな四人は出会った最初に成績順位だったので、四人は同室となって過ごす。

といっても、二人の天才と呼ばれるのはどちらも少年で、医学のエキスパートはどちらも女性だったので、正確には隣同士だった。

皆はそれぞれ過去を話さず、隠していたが気が合うために一緒にいる事が多かった。

「新一、どうだった?」

「・・・一つミスった。」

「やったね。俺は全部だったもん。俺の勝ち〜。」

「・・・むかつく。」

蹴りを入れる用意をしたのを見て、慌てて取り押さえる。

「駄目だよ新一。」

慌てるのは快斗と言う名の少年。蹴りを入れようとするのは彼が言うように新一という名前だった。

彼等は血は繋がっていないにもかかわらず、似ているので良く間違えられる。

だが、今では新一は美人なので、そして普段時折見せる笑顔や無意識の表情からファンは多く、快斗は快斗で新一とは違い男らしさをもち、おちゃらけてふざけているように見えるが、いざと言う時には助けてくれる、頼りになる男として知られていた。

「まったく。あいかわらずね。」

「本当。よく毎日あきないわね。」

現れたのは二人同等に目立つ美人。長い黒髪の少女は紅子で、赤茶の肩ぐらいまでの少女は志保と言う。

四人共に性名は名乗らない。理由は簡単。性名を名乗れば、過去が知れるから。

だが、互いに何も検索しないし、呼び名には困らないのでこのままである。

「で、二人して今日はどうしたの?」

もう授業は終わり?と聞けば、午後はないから昼食を誘いに来たのよと答える。

「そっか。よっし。新一行こうぜ。」

蹴りを止める為に腕の中に押さえ込んだ新一に離し駆けるが、最近成長して快斗の方が大きくて、今でもこうやって腕の中に閉じ込められるなんてと、かなりご機嫌斜めだった。

結構新一が顔以外にも身長を気にしていたので、まずいなぁと思う快斗。

快斗としては好きな相手より小さいのは嫌だったのでうれしいのだが。

「ほら。席がなくなったら面倒だわ。」

「はやく行きましょう。」

「は〜い。」

新一の手をつかんだまま、二人を追いかける。

そんな彼等は、とても仲がよかった。互いが誰であっても気にしないぐらい。

そしてすでに彼等は、この国の、世界の希望と言われた。

彼等ならば、地の国の王の暴走を止める事が出来るのではないかと。

仲良く小等部を卒業し、相変わらずトップの四つを占領して中等部へとあがる四人。

そして、相変わらずトップのままで、彼等は高等部へとあがった。












「やった。今年も新一と同室。」

「まじかよ・・・。」

高等部第二学年に上がった新一達はクラス発表を見た後、寮の相手を見た。

だいたい総合の順位でトップから順に二人部屋になるので、今回もトップの二人はまたも同室になったのだ。

「私達とも、今年もお隣ね。」

同点三位でずっと来ている彼女達もずっと同じルームメイトで、お隣も同じ。

トップは寮の最上階であり、トップの10人だけがそこにある部屋で一年を過ごす。

特に、上位3位までは特別待遇されるのだ。

彼女達は同点3位なので、この四人がいる限り、異例の四人特別待遇であった。

「ほら。いつまでもこんな所にいないで、部屋の移動もある者がいるから、はやく自分の部屋へ行ってちょうだい。30分後点呼にまわるからね。」

寮の警備担当の美和子が声をかける。

「今日までに休みの間に届いていた分は、新しい部屋に置いてあるからね。」

チェックして間違いがないかどうか確認してと言うのは、同じ寮の警備担当をしている歩である。

二人は恋人同士だという噂があるが実際のところは知らない。

誰も詮索したくても今はそんな事をしている場合ではないし、見ている限りではそう見えるので、諦めきれないものだけは今もこっそりいろいろと企んでいるようだ。

「はぁ〜、今年も同じ部屋〜。」

移動は結構面倒なので、移動がないのは楽だ〜とベッドの上に倒れこむ快斗。

「ったく。俺としてはお前みたいなお気楽な間違いのような男がトップだ何て信じられないけどな。」

「え〜、ひっど〜い。新ちゃんってば、そんな事言う?」

ぐいっと腕をつかまれて、快斗の上に倒れる。

「なっ、何しやがる。」

「あ〜、新一の匂いだ〜。落ち着く。」

「俺は安定剤かよ。」

「う〜、そうかも。」

ないと駄目なんだよとぎゅうぎゅう抱きしめてくる快斗。

時折見る快斗はとても辛そうで、そして悲しそうで。無理しているように見えるので、結構気を許している快斗にはそれなりに好きなようにさせる新一。

今更抵抗しても、逃げ出す事は無駄だと学習したからかもしれないが。

こんな事で快斗が落ち着くのなら好きなだけさせてやりたいと思った。

新一は、詮索はしないが快斗の過去を知っているから。そして、決意を知っているから。

邪魔にはならないように、そして助けになれるようにと長い間一緒にいてそう考えるようになった。

「ねぇ。」

「駄目。」

「まだ何も言ってないのに〜。」

「だいたいわかる。・・・明日、開始日で、式があるんだぞ?」

「わかってる。」

「じゃぁ、この手はなにかなぁ?」

「え?そりゃぁ、新ちゃんを・・・。」

「駄目だって言ってるだろ。」

懐から取り出す小型ナイフを快斗の喉元に近づける。これは、快斗対策用に新一がわざわざある人に頼んで造ってもらったものだ。

「・・・はい、すみません。今すぐその物騒な奴が描かれている柄のナイフはしまって下さい。」

「・・・わかればいいんだよ。」

新一の身体の自由を奪っていた手を離して、怯えて顔を真っ青にする快斗。

「ったく。天才何だか馬鹿何だかわかんねーな。どうして魚・・・。」

「それ以上言わないで下さい。」

「なぁ。何が理由で魚が嫌いに・・・。」

「シャーラップ!」

手でしっかりと口を塞ぐ。快斗の口で塞いでも良かったが、そんな事をすればあのナイフの魔の手が迫ってくる。

「ま、いいけどな。・・・って、そんなに落ち込むなよ。」

かなり黒い陰を背負って沈んでいる快斗に近づく。だが、ちょっといじめすぎたらしくめそめそしている。

まったく、いくつになってもこれでいいのかよと、呆れるが、やっぱり放っておけないなと、自分も他人にこんな風になれるんだなと、快斗にで会えた事を感謝するのだった。

だけど、油断大敵だし快斗は気がつけば押し倒されているので、やっぱりこのナイフは必要なのである。

そう、ナイフの柄には魚の絵が掘られているのだ。

なので、いくら物騒なものはといつの間にか取られるが、さすがにこれまでは取れないらしい。

「いろいろと、情けないよな・・・。」

黒い陰を背負うのをやめたかと思えば、お願いだからアレだけはと泣いて訴えてしがみついてきた。

そこへあの二人がノックして入ってきて、馬鹿ねと言われるのはいつものパターン。

「なんだか、犬と飼い主みたいね。」

「本当。私は飼い主さんの方がほしいけれど。」

「駄目。新一はあげない。」

ぎゅうっと自分のものだと強調する。それを冷たい目で見る二人。呆れて物も言えない新一。

「ま、いいわ。そうそう。国王さまからの連絡が入ったわ。今年から、トップの私達に特別課題として、これからの為にたまに任務で呼び出すから、その説明をするみたいよ。」

国王からの呼び出しだから、絶対に遅れないでよと、忠告して去っていく二人。

「そう言えば、明日呼び出しだったな。」

「どんな人だろう?」

「知らないのか?」

「知ってるの?」

「知ってるさ。得体の知れない奴だよ。」

「そうなんだ。」

どんな相手かは会ってからでいいやとのん気な快斗。それを横で聞きながら真剣な顔をしていた新一に気づく事はなかった。












夜。それぞれの思いの中、なかなか寝付く事は出来なかった。

明日の第二学年の開始日の式が終われば、次からすぐに授業や実習、実技に入る。

それと同時に、国王からの呼び出し。

とうとう、このときが来たのだと、快斗を含めた三人は思う。

そして、新一は彼等とは少し違った意味でこのときが来たのだと思っていた。

皆からの期待を受け、戦場へと立ち上がる四人。

それが、これから開くであろう未来。それを望んでいるわけではないが、どうしても止めないといけないのはわかっているから。

それぞれが今ここにあるのは、あの男を止める事。

そして、失った大切なものを取り戻す事。

本当に失った物は取り戻せないけれど、取り戻せる物は取り戻すつもりだ。

その為に、何年もトップにい続けたのだから。










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▼管理人のコメント

紅姫さんより、当サイトの25万ヒットお祝い小説を頂いてしまいました〜vv
まさか頂けるなんて思っていなかったのでドッキリ☆にんまり☆です(笑)
こういう設定に弱いんですよね…!
「選ばれた存在」だとか「世界で唯一の希望」とか言われちゃう新一や快斗がもうvv
しかもクロキはスケールの大きい話が大好きなもので、世界規模で展開していきそうなストーリーにうっとりですvv
できることなら続編希望を強く宣言致します!!v
紅姫さん、気が向きました時でもいいので続きをちらっと書いて頂けると、
ここにヨダレでも垂らしそうな腐女子がおりますのでお忘れなく(笑)
どうも有り難う御座いましたvv