各ルート感想+キャラ考察





● シキ

 プレイ前から、予備知識もなしになんとなく「嵌るならこのCPかな〜」と思ってましたが、見事に嵌りました。
 イル・レ万歳! 実際いたら目も当てられないビジュアルだけど、このストーリーの背景設定とキャラを踏まえると全然アリです。無問題です。
 精神的には勿論、肉体的にも強いキャラが大好きです。(マッスルは無理です/笑)
 だから処刑人ズも好きv
 ライン摂取後のケイスケも強いですが、やっぱ自力で手に入れた強さじゃなきゃ駄目でしょ、ってことで。同様にナノも強いですが、彼も人外っぽいんで論外ってことで。
 シキはきっと、今の強さを手に入れるために努力を怠らなかったと思います。勿論生まれながらの才能もあったはずですが、才能だけに裏打ちされた強さに持つ自信なんて薄っぺらいもんです。
 だからこそ、矜持も拘りもなく安易に強さを薬で手に入れようとする人間を忌み嫌う。トシマでのシキの態度があれほど横柄だったのも、トシマにはそういった人種しかいなかったから。
 だからこそ、シキはアキラに興味を持ったんだと思います。
 アキラはシキほど強くない。でも、その差を埋めるために薬物に手を出したりしない。それでいて、強者に屈するわけでもない。
 それはアキラが自分の弱さを知った上で、強さの何たるかも理解しているからだと思うんです。
 弱ければ殺される、けれど自分の力で手に入れた強さでなければ意味はない。弱者だからといって、強者に屈しなければならない謂われはない。
 その考えは、シキにとっても似通う部分が多少ならずあると思うんです。
 過去にナノと戦ったことのあるシキは、その時死を覚悟していた。ナノという初めて出会った強者に命乞いして生き長らえることよりも、死を選んだ。
 敵わないと知りながら刃向かう、その姿はリンにも共通するところがありますが、アキラとリンの違いは、目的に対する意識の差、でしょうか。
 仲間の敵を討つために戦いを挑むリンは、その目的を果たせずに死んでも構わない、という節があったことに対して、アキラは「屈しない」という目的のためには死ぬことも厭わない、という節がありました。
 そんなアキラにシキは過去の自分を重ねていたのかも知れません。
 そう考えると、シキにとってアキラは、初めて出会った、自分の生き様を理解してくれる人だったのかも知れませんねー。

 シキルートは、どのエンディングもらぶ度が低いですね。
 ケイスケもリンも源泉も、トシマ脱出前に愛のあるラブシーンをご披露下さってる中、シキはバイオレンスなラブシーンだけ。(とは言え、私的に納得しているのはケイスケだけです)
 でも、この2人にはこのぐらいが丁度いいと思います。
 この2人が確実な愛を育んでいくとしたら、それはトシマを脱出した後に、多分他キャラの誰よりもゆっくり育んでいくことでしょう。
 でもシキは、無自覚な上に自覚しても認めないだろうし、下手したら一生口にもしないだろうけど、確実にアキラに対する愛はあると思います。
 ただ、愛の何たるかを理解しておらず、独占欲と履き違えているところがありそうなので、他の人とは愛情表現の仕方が違います。
 だからきっと傍目には非常に分かりにくい愛情表現だと思うんですが、言葉にせずとも心が繋がっているというか、うまく言えませんが、アキラだけはそれを理解してくれるんじゃないかなと夢見てます。
 しかも、私的にここ重要なんですが、とち狂っちゃうくらい相手を愛する人が大好きです。
 その人がいないと生きていけないとか、その人に触れようとする者全て葬り去ろうとするとか。それが感じられるのは、ナノとシキだけかな。前者がナノ、後者がシキ。
 愛情の深さ、という点ではだんとつケイスケなのですが、ケイスケの場合は愛情が深すぎて、アキラが幸せなら自分以外の人とくっついても見守っちゃうと思うんです。
 でも、自分以外の人とくっつくアキラを、シキが見守るはずがない(笑)
 PC版のエンディングは、3つとも気に入ってます。
 特にED2は妄想を掻き立てられて止まないのですが、一番好きなのはED1でしょうか。
 PS2版については色々物申したいところが在りますが…。それはもう、シキアキ大好き人間としてはどうしても評価が辛くなるということで、見逃して下さい…。

 ――ED1 車椅子END
 これがトゥルーエンディングと知った時は、激しく納得いかなかったのですが、自分の中でシキの覚醒が揺るぎないものとなってからは、一番好きなエンディングになりました。
 シキルートのキーパーソンは当然ナノ。他ルートでは割と友好的なのに、シキルートでは思いっきり邪魔してくれます(笑)
 最初はやっぱり納得いかなかったけど、何度か読み込む内に、ナノがこのルートで何をしたかったのか(都合よく)解釈できてからは、このルートはシキのトゥルーエンディングとしてはこれ以上ないものだと思ってます。
 私の解釈として。
 兵器としての定められた運命と、未来に何も見出せないことに絶望してしまったナノにとって、ただ強さを求めるシキは、最も愚かな部類の人間に思えたのかな、と。
 シキの目的は、何者にも揺るぎない力を手にすること。最強の生体兵器であるナノは、それを手にしていると言っても過言ではない。でも、ナノから見える世界は絶望でしかない。その絶望に自ら染まろうとしているシキは、ナノから見れば何よりも愚かに見えていたはず。
 だから、「俺の血を乗り越えることができるか?」というのは、ナノからシキへの挑戦だったんだろうなぁ、と感じました。
 シキがその挑発に乗れば、ナノにとってシキはただの愚か者に過ぎず、シキがその挑発に乗らなければ、愚か者ではなくともシキの敗北は確定する。
 ただ、この場合の「敗北」とは単純に肉体的な戦闘能力の高さについてであり、精神的なものについては、むしろ「勝利」と言っても過言ではないと思います。でもシキが望んでいた勝利は肉体的なものだったから、ナノは敢えてこの勝敗を「敗北」と告げたんでしょう。
 でも、ナノは多分どちらも望んでなかったんじゃないかと思います。と言うか、どちらを選んでも構わないと思ってたんじゃないかな。
 ただ、シキが挑発に乗らなければ、そしてそのまま無抵抗のナノを殺してしまえば、シキが辿るだろう未来はナノにもシキにも分かっていたはず。なぜならそれはナノがずっと見続けてきた世界だったから。
 追うべきものを失ったシキと、何かを願う心を失くしてしまったナノ。そのどちらの未来も、先にあるのは「無」という名の絶望。
 でも! ナノと違い、シキにはアキラがいます。
 目的を失って人形となる未来は避けられなくても、唯一執着を見せたアキラが側にいる限り、いつか新たな目的としてアキラがシキの未来になる可能性はあります。
 そして、アキラがシキの側を離れることはない。
 そう思うと、ナノはシキに、自分には見出せなかった可能性をかけたのかなーと。自分では越えられなかった絶望を越えて欲しかったのかなーと。
 いや、本音は、それを乗り越えるくらいの気概を見せなきゃアキラはやれねーな、くらいの心持ちだったら萌えるv と思っただけです(笑)
 その絶望を乗り切ってシキが目覚めた先にこそ、2人の本当の幸福がある。
 で、アキラがシキを目覚めさせられないはずがない、と。(←この辺の根拠は非常に乏しいですが、むしろ根拠のなさが愛の深さです/笑)
 そう脳内補完すると、あら不思議。これ以上ないくらいパーフェクトなトゥルーエンディングに!
 シキ覚醒後は妄想し放題です。
 ○年間眠り続けてきたシキと違い、人形となったシキをそれでも守り続けてきたアキラの中では、明確な言葉として自覚してなくとも、自分がシキに対してどういった感情を抱いているのか、きっと理解しているだろうと思います。
 とりあえず、でっかい試練を乗り越えた2人の愛は不滅ですv

 ――ED2 軍服END
 ED1が納得いかなかった時はこれが一番のお気に入りでした。
 一番妄想を掻き立てられる…!
 シキ総帥と高嶺の花、アキラ。
 私の知る限り正確には書かれてなかったと思いますが、勝手にニコルの適合者はシキひとり、精鋭部隊のトップたるアキラはシキに次ぐ強さを誇ると信じて疑いません。
 いくらアキラがシキのお気に入りでも、トシマにいた頃の簡単に押し倒されまくっていた程度の強さしかない男を、副将に据えるシキではないと思うので。
 そう考えると、受けでも強い人が大好きな私は大変悶えます。
 しかもしかも! このルートのシキは、アキラにものっそい執着してると思うんです。
 馬鹿な部下がアキラに手を出したりすれば、容赦なく切り捨てる。その点はED3も同じですが、アキラの「ゲーム」を許している感のあるED3とは違い、ED2のシキは一切許さない。それほどの執着っぷりがあると思います。
 と言うのも、アキラは「理性を放棄」してシキの僕となったのではなく、シキという存在に惹かれ、「自分の意志」でシキに従うことを決意した、というのが私の中での大前提なので!
 だってアキラの意志じゃないと淫靡と変わらないもんね。

 ――ED3 淫靡END
 このルートについては…あまり語ることもありません(笑)
 嫌いじゃないんですが、これ以上どうしようもないので特に妄想も膨らまない。
 淫靡アキラには何やらせても結局最後には同じところに行き着きそうだし、何か変わったことさせるなら淫靡じゃなくてもいいじゃん! という。
 多分、あのアキラが淫靡に辿り着く経緯が全く想像できないのが原因です。
 シキ一筋、ならまだしも、他の男を銜え込むのはちょっとなー…
 どなたかスバラシイ妄想を提示して下されば一気に開花できると思います(笑)

 ――PS2版
 話を丸々通して唯一納得できたのは、殺し愛ENDだけでした。
 後は納得いかない……というより、ちぐはぐすぎて話が成り立ってない…。
 シキルートは割と物語の核心に迫る重要なルートだと思うのに、ルートによってはエマどころか下手したらナノさえ出てこないんだもんなぁ。
 車椅子一歩手前ENDは、トシマを脱出したシキとアキラが行動をともにしている理由が分からない。
 監禁生活を丸々なくしてしまったために、このルートでのシキとアキラがお互いに対して抱く感情は、ほんの表面的な興味でしかないと思うんです。そんな相手に自分の未来を託す、或いは干渉を許すシキじゃないと思うし、覇気を失っていくシキの傍に在り、守っていくアキラじゃないと思う。
 監禁ENDは……え。ここで終わらせるの。という不満です。
 いえ、PC版のようなバイオレンスやエロが許されるとは思ってませんが、もうちょっとナノやらエマやらに絡めた話にしてくれてもいいじゃないか…! と。この後、アキラをトレースしてるエマはどうなったのかとか、ナノとシキの決着はどうなるのか、とか。
 一見PC版淫靡ENDの序章のようにも見えますが、色々誤魔化された感が拭えません。
 最後に、殺し愛END。
 これが唯一まだ納得できるかな、と思ったエンディングです。
 監禁がなかったおかげで、体も心も一切触れ合うことがなかった2人。
 だからこそ、トシマで全てを失ったアキラは、最後に残されたシキへの憎悪だけを生きる糧にしてしまった。
 シキもまた、ナノと同じウイルスを持つアキラに、ナノほどではないにしても興味を持った。
 アキラはなんだかんだでシキの強さには惹かれていただろうし、シキもライン漬けにした人間を斬ることよりもアキラに追われた方がずっと楽しいだろうなあ、と。
 唯一の心残りは、最後の舞台でナノが出てこなかったために、アキラがナノをナノとして認識していない、ということでしょうか。
 まあシキがナノ追っかけてアキラがシキを追っかける、という構図を作りあげるには、ナノを登場させてシキと決着つけさせるわけにもいかなかったんだろうけど。これじゃ、折角トシマにきたアキラと接触を図ろうとしたナノの行動が全て無意味に。
 PC版のナノが、シキの色に染まろうとするアキラを引き留めようとしていただけに、PS2版のナノにとってアキラはその程度の存在なのかなーと、ちょっと消化不良気味です。
 とは言え、数年後に再開した2人の今後にはかなり妄想が広がりますv
 うろ覚えですが、再開した二人が戦いに突入したシーンで、「勝ち負けなんかどうでもいい」とか「或いは、永遠に終わらない」とかそんなテキストがあったと思うんですが。
 まあ普通に考えてシキに勝っちゃうアキラは駄目だと思うので(笑)、きっとこの勝負の勝敗はシキの勝利で終わるのでしょうが、ここからきっと虎の穴のテレカかなんかのイラストの2人に辿り着きそうなスメルがぷんぷんします。
 エンディングスチルの時点でまだアキラの首にクロスがなかったので、その後あーだこーだしてシキから片方のクロスを貰っちゃうんだろうなあ、とかv
 殺す、殺されるという危険のない世界で生きていくのもいいですが、やっぱり生きるか死ぬかという危険の中に身を置き、日々の命を己の力で掴み取って生きているような、野性的で雄々しいシキの方が彼らしくて好きです。
 でも、PC版ED2やED3のような崩壊した世界よりも、一見平和なように見えて、その影ではまだ…という世界観の方が現実味があるので、シキの良さを最大限に活かせているのは、このエンディングなのではないかと思います。
 あと個人的に、強いアキラにも万々歳です!





● ナノ

 ナノ、好きです。
 他ルートで彼が出てくると、思わずナノルートに走りたくなってしまいます。
 今までが辛かった分、幸せにしてあげたいです。
 「近付かない」を選択するのが心苦しい…。
 ニコルと非ニコル。過去における邂逅。こうした要素から見ても、この2人には「運命」という言葉がよく似合いますね。
 ナノを幸せにできるのは、この世でアキラただひとりです。彼を幸せにすることはエマにもできないことでしょう。
 ナノは、始めて非ニコルの存在を知った時、そしてそれがアキラだと知った時、アキラに見出していたのは単純に「変化の可能性」だったと思います。
 アキラに側にいて欲しいとか、自分の色に染まって欲しいといった欲求ではなく、アキラに触れることで自分の色が変わるのだろうかという、疑問程度。
 過去の記憶はあっても、感情を制御されたナノにとって、感覚の伴わない記憶は知識に過ぎないはず。
 だから、アキラに対して特別っぽい感情を抱いたのは、シキを殺して(涙)帰ってきたあのシーンあたりからではないでしょうか。
 多分、ナノにとってのシキもある意味で「特別」だったはず。
 シキルートでリンを殺したシキが動揺を見せたように、シキを殺したナノも少なからず動揺を見せてくれたのはちょっと嬉しかった。
 ナノにとってシキは人の「闇」の象徴で、アキラは人の「光」の象徴だったんでしょう。
 ただ、アキラに出会うまでのナノはより「闇」に近い存在だったけど、アキラに触れる内に無意識に「光」を望むようになった。
 それ故の行動が、アキラを抱くって行為だったのかな、と思いました。
 アキラの色と交わることで、黒と定められた自分の色も変わるのでは? と。
 衝動的な行動ですから、そこまで明確な考えがあったとは思いませんが。
 ナノルートは、PC版よりもPS2版の方が気に入っています。
 ただアキラにしがみつく姿が、救いを求めて縋り付いているようで。
 あそこで無理にエロに持っていくより神聖な感じがして、好きです。
 でもPC版は、エロシーンにおけるアキラの喘ぎが一番エロかったので、それはそれでお気に入りです(笑)

 ナノはアキラと同じようにエマに対しても何かしらの感情を抱いていたと思います。
 それは単純な恋愛感情などではなく、過去の回想シーンでアキラに「手を握ってくれるのか?」と尋ねていたように、戦闘兵器である自分に人として接してくれるエマを、アキラと同じ「光」として見ていたのではないかな、と。
 それが、研究員たちの言葉によって壊されてしまった。
 それでもナノがエマを殺さなかったのは、その時の彼女はナノが変貌した理由が分からず、死を望んでいたわけではないから。
 トシマで再会したエマを殺したのは、あの時ナノが変貌した理由を知った彼女が、ナノを殺して自分も死ぬことを望んでいたから。
 ナノはエマの望みを叶えただけで、そこに自分の意志はなかった。
 意志はなかったとしても、相手の望みを叶えるという行動を取ること自体、その相手がナノにとって特別な存在であったことの証明のように思えます。
 エマとナノの関係は、他の研究員の会話によるものだけでなく、2人が接触しているシーンとして描いて貰えれば尚嬉しかったな、と思いました。





● ケイスケ

 攻略するのが一番気が重かったのはケイスケです。
 もともとそんなに気になるキャラでもなかったし(酷!)、黒スケになってイタイ展開になるのは分かってたし。
 でも、何度かプレイする内に彼の一途さが好きになりましたv
 一心にアキラに恋するケイスケは可愛いです。
 あと、杉田さんの熱演っぷりにはかなりヤラれました!
 ライン使用前の気弱なケイスケが嘘のように、使用後のケイスケはエロ格好良かった。
 ドライバーまでは余裕だったんですが、腸はちょっとぐろかったなー。
 プレイ中は一瞬チラッと見える程度だったんで、スタッフ様方のその配慮には激しく感謝しました。スプラッタも別に余裕でイケル口なんですが、素のケイスケがアキラ大好きなだけに、ちょっと可哀相。

 他人に興味を抱かず、何事にも感情表現の乏しいアキラが、作中で最も自発的に行動していたのが、ケイスケのことに関して。
 自分に掛けられた殺人容疑にさえ、理不尽な怒りを覚えてはいても、何としてでも無実を証明してやる! なんて意気込みは見せなかったアキラが、自分の失言で飛び出してしまったケイスケを探し出し、誤解を解き、ともにトシマを出たいとまで思った。
 そういう意味では、このケイスケルートは一番報われるというか、一番自然なエンディングじゃないかと思います。
 恋愛に発展するのが一番自然なのも、ケイスケでしょうね。
 ケイスケはもともとアキラが大好きだし、アキラもケイスケの為にこれだけ必死になれるってことは、やっぱり特別なものがあったんだと思う。
 でも、グッドエンディング後のアキラに対して余裕っぽいケイスケは見ていて面白くない(笑)
 ケイアキの醍醐味はやっぱ、飼い主アキラに尻尾ふりふりじゃれつくヘタレ犬ケイスケ、だと思っているので。





● リン

 PC版で最初にプレイしたのがリンルートでした。
 シキを攻略するにはリンを攻略しなきゃいけない、ということを知らなかったので、最初からシキエンドを見る気満々で始めたものの、シキ初登場シーンで何の選択肢も出ず、「あれ、コレまた後で絡んでくれるのかな?」なんて暢気に構えてたんですが、気付けばリンルートに。
 でも、リンルート攻略後に即行シキルートを攻略しに行ったので、ある意味最短で攻略できましたが(笑)
 リンは、エロシーンでこそ受け手でしたが、精神的にはもの凄く男らしくていいですね。
 私的に、ちっちゃい子が女々しいとそのまんま女の子みたいなので、それだとBLゲーの意味がないし、最初はあまり興味がなかったのですが、最後にでっかくなって帰ってきたリンには逆転ホームランされた気分でした。
 こらもう攻守逆転だなv と思ってからやり直すと、リンルートもなかなか楽しいです。
 でも、これだとシキが…! 私、シキアキ本命なのに(笑)
 でも勝手に、リンはシキを殺してないと思ってます。というか、「トドメ」を刺してないと思ってます。同様に、シキルートのシキもリンにトドメは刺してない、と。
 リンにとってシキは敵であると同時に憧れたお兄ちゃんだったので、それを殺してしまえば、過去に仲間を殺された恨みは晴らせても、五年後にアキラのもとに帰ってきたリンがあんなに清々しく笑うことはできないんじゃないかなぁ、と。
 というかぶっちゃけ、シキに勝っちゃうリンが想像つかないので、どちらかの死ではなく、別の何かでリンは自分なりに過去と決着をつけたんじゃないかと思うだけですが。

 全ルートで一番アキラが不自然に感じられたのはリンルートでした。
 源泉ルートでも相手がオッサンだからかやたら子供っぽくなるなあとは思いましたが。
 基本的に受け身のアキラが唯一攻守逆転するルートだから、というのもあるのでしょうが、微妙に積極的なアキラがちょっと不気味でした(笑)
 他人に無関心なくせに、ケイスケそっちのけでリンに突っ走っちゃうんだもんなー。
 ケイスケほど深い付き合いがあったわけでもないのに、いつの間にそんな人情深い熱い男になったんでしょう。謎。
 リンルートは、PC版よりもPS2版の方が気に入ってます。
 正直、最初の頃のリンがアキラたちを構っていたのは本当にただの「暇つぶし」で、カズイと似ているアキラに興味を持ちつつも、それほどアキラ自身を見ていなかったと思うんです。
 そんなリンとアキラがトシマ脱出以前にらぶに発展するのは、どう考えても早すぎるかと。
 それともあのラブシーンは単に「存在の確認」で、まだ恋愛未発展だったんでしょうか。
 だとしても、やっぱりあのエロは別になくてもよかったかな、と思います。
 「恋人」が無償の愛を向けてくれるのは自然なことですが、「友人」だからこそ、信頼を裏切らない人はとても貴重な存在です。
 信頼していた仲間に裏切られてきたリンだからこそ、その溝を埋めるものは友情であって欲しい、と思ってしまいました。





● 源泉

 格好いいおじさまは大好きなんですが。モトアキ見てると、どうしても援交に見える(謝)
 でも、らぶに至るまでの、アキラにお節介焼いたり甲斐甲斐しく世話をする源泉は格好よくて大好きです。
 らぶになると途端に余裕がなくなるのが私的にNGなんですねー。
 まあそれが恋愛の醍醐味なんだろうけども。
 あと子源泉にはすっげーヤラレた感が…!
 何だあの可愛さは。反則だろう。あんな爽やか大正少年が、将来はくたびれた親父に。
 ……勿体ない(笑)

 息子と妻の敵としてナノを追う源泉は、ある意味リンととても似た者同士だと思います。
 ただ、自分の中に巣食う憎悪を認めているリンと違い、源泉はそれを大人の事情でくるりと包んでます。
 ナノの存在は世の為にならない、だから消さなければならない。その大義名分がある限り、彼は自分の復讐を正当化することができる。
 それは大人の狡さであり、また悲しいところでもあるな、と思いました。
 たとえ彼の中でナノに対する憎悪が薄れてしまったとしても、一度掲げてしまった大義名分を途中で放り捨てることもできない。
 源泉がアキラと出会った時、彼は既にそんな状態にあったんではないかと思います。
 それが、復讐を止めようとしたアキラの説得に耳を貸した源泉と、貸さなかったリンの違い。
 でも、アキラだからこそ源泉を説得できたことは間違いないでしょうね。
 多分源泉は、ナノを殺したところで過去から解放されることはなかったと思います。一生息子と妻、ナノの影に囚われながら死んでいったと思います。
 それらから彼を解放できるのはアキラだけ、と思うと、源泉にとってもアキラは唯一無二の存在だったと思います。
 ……でもやっぱり、源泉とアキラが恋人関係である必要性をあまり感じません(謝)





● ユキヒト

 納得いかない、パート2です。
 あ、話自体は気に入ってます。アルビトロに捕らわれたアキラを助けにきたユキヒトとトウヤのスチルは、怪我も手伝ってすげー格好良かったです。
 あと個人的に、ビジュアルも好みだ。あの斜に構えた態度が妙にツボv
 ユキヒトってキャラは色々オイシイと思います。
 他のキャラは、どちらかというと本人からアキラへのアプローチの方が強かった中、ユキヒトはバーで目が合っただけでアキラに気にされちゃってv
 他では見られないアキラが見られた感じ。
 ユキヒトの意地悪っぷりも、目つきの悪さっぷりも、あと声も! 大好きです。
 じゃあ何が納得いかないって、らぶが足りないってことですよ…!
 エロは当然期待してなかったけど、せめてキスくらいまでは漕ぎ着けて欲しかった。
 つーか要するに、ユキアキのちゅースチルが見たかったんだ! たたなかなさんの絵で!
 傷を舐めるだけならもうナノがやっちゃってるよ! と激しく抗議したい。
 まあユキヒトのあのツンツンした性格じゃあ、同じくツンツンのアキラと歩み寄るにはかなり時間がかかりそうだけど。
 でもあれだけのエピソードじゃ、雨の中倒れてるアキラを助けたり、ビトロに捕まったアキラを助けに行ったりするにはちょっと動機が薄いかな。
 もうちょっと何かあってもよかった。せっかくアキラと過去を共有してるんだから、そこんとこもうちょっと巧く使ってくれてもよかった。
 しかも、トシマ脱出後の同居生活ですららぶに至ってない様子。
 辛うじて萌えたのが、1つのベッドに枕2つと、「忘れられなかったってやつ?」って台詞。
 ……らぶ度、低すぎる。
 何だ、この遠回しないちゃつきは。もっとあからさまに、全面的に出してくれちゃって構わなかったのに!
 でもでも、トウヤが生きててくれたのはめちゃくちゃ嬉しかった…!
 最初からトウヤはいい人、ってイメージがあったので、初登場時にアキラにツンケンしてるトウヤを見て、「あれ、いい人じゃなかったの!?」と思ったのですが、最後はやっぱりいい人。
 もうそのままユッキーとアッキーのらぶ★どき☆同棲生活にはらはらしてればいいんだ、と真剣に思った。





● 処刑人

 PS2版で納得いかない、パート3。というか、がっかり。
 まあ処刑人エンディングはエロしかなかったので省かれちゃうのはしょうがないとして。
 それならそれで全く違ったエピソードを入れてくれてもよかったかな、と思った。
 エロだけじゃなくてアキラに興味を持った彼らの反応とか見てみたかった…!
 公式ファンブックで処刑人の声優を演じて下さっているお二方も仰っていましたが、この二人も攻略キャラに入ればすっごく面白いだろうなあ、と私も思います。
 でも、シキルートで現れた処刑人エピソードは大変美味しかったですv
 グンジのアキラ=ウサちゃん発言も大いに萌えたけど、それよりシキがアキラを(結果的に)庇った、ってところが! シキアキ好きなら一度は妄想したはず(笑)
 あと、ルービックキューブを弄くるグンジ。……可愛すぎる。
 トシマを見回ってない時って何やってんだろー? と思ってたけど、意外に普通でそれが逆に萌えた。
 アルビトロに怒られてたシーンで、キリヲが「空っぽになったらおさらばだけどなぁ」みたいな台詞を言ってたかと思うんですが。
 PC版をプレイしてた時から、処刑人2人は自分たちに都合がいいからアルビトロのところにいるだけで、彼に対する忠誠心なんて欠片もないだろうと思ってたので、オフィシャルで肯定されてよかったv
 文句を言いつつも父親の言いつけを守る息子たち、というよりは、あくまで利害が一致しただけの合理的な関係であって欲しい。
 じゃないと2人にとってアルビトロが「特別」みたいで何か嫌だ!
 あの変態具合を「面白い」くらいは思ってそうだけど、利用価値もないのにずるずる付き合うほど親密な仲であって欲しくないです。
 あ、散々扱き下ろしてますけど、ビトロパパもヴィスキオ一家も好きですよ(笑)
 ただ、処刑人の2人は、今が楽しければ生きるも死ぬも関係ない、究極の快楽主義者だと思っているので、何も「特別」なものを持たない、相棒(?)であるお互いでさえも「特別」ではない、そんな関係でいて欲しい。

 ――グンジ
 グンアキは、シキアキの次くらいに好きです。
 グンジってキャラはCPとしてはひじょ〜〜〜〜に描きにくいキャラだと思います。
 グンジが真剣に愛を囁く姿なんか想像つかないし、アキラを大切にするグンジも想像つかない。
 ほんとにヒヨコ頭だから、愛だの恋だの、分からなさそう。
 ただ執着から転じた純粋な独占欲は見せてくれそうかな。
 でも愛情とはまた違うので、愛で方は快楽主義のグンジらしく、自分さえ楽しければそれでいい、ってな感じになりそう。
 そうなるとめちゃくちゃバイオレンス!
 だから、アキラがグンジを好きになることはまずない(笑)
 ばかっぷる好きとしては、愛情のないバイオレンスを何とか愛情レベルまで引き上げたいのが本音ですが、グンジから殺人と暴力を抜いたらグンジじゃないよ!

 ――キリヲ
 最初はそんなに興味なかったような気がするんですが、気付けば結構イケル口になっていたキリアキ。
 多分嵌った切っ掛けは茶屋町さんのコミックで、バーでアキラと接触した時に、アキラに興味を持って処刑しなかったキリヲを見たからだと思います。
 人をいたぶるのが好きな快楽主義者だけど、常にそれに流されてるわけでもない。
 そういうところを見ると、キリヲはグンジより若干(ほんと気持ち程度)理性的っぽいので、多分、バイオレンスのない愛を実行することも可能だと思われます。
 ただし、グンジ以上の気紛れっぽい、というか興味のある事柄が少なさそうなので、彼の興味を引くのは至難の業かと。
 となると、アキラがどうやってキリヲの愛をゲットするのか。……難しそうだなぁ。
 まあ、ミツコさんという名前までつけちゃうような愛用の鉄パイプを持ってるってことは、物に執着する面があるのは確かなので、人間にも執着できないことはないと思います。
 そして、バイオレンスのない愛であれば、アキラがキリヲに惹かれる可能性はゼロじゃないはず!






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