【 7つの贈り物 】 |
「名探偵。私は貴方のことが好きです。」 工藤新一は今、この突然現れた人物を蹴り倒そうかと悩んでいた。 +-+-+-+- 夜の空気も冷え冷えとし訪れようとする遅い冬を感じさせていた そんな中。 彼は夜の闇にも負けない純白の衣装に身を包み現れた その姿は誰が見ても見惚れてしまうだろう。 しかし、 新一は知っていた その服が意味する理由を それは、まさしく彼のためだけに用意された服といえよう。 だから、新一も彼のポリシーでそれを着込むことはとやかく言うつもりも 誰もいない屋上で羽根を休めようとも 別にどうだっていい。 しかし、今彼がいる場所は工藤新一の部屋 静かな夜の一時を堪能している新一の目の前に そう、探偵である工藤新一の家にいるのだ それはまるで捕まえてくださいって言っているようなことだ。 まあ、新一自身は捕まえる気がないから別にいいんだが(ん?それでいいのか?) この状況を近所の人にでも見られたらたまったもんじゃない 警察が駆けつけてきてうるさくなるわ、明日も警察に呼ばれて事情を聞かれたり 面倒なことばかり起きる しかも不法侵入ときたもんだ。 やはり、蹴り倒すべし 結論が出たためすぐに行動を起こした新一だが空を蹴っただけであった なぜなら、何かを感じ取ったKIDが一歩下がったためである。 常人ならぬ動きで 「危ないですよ。あたったら痛いのですから」 貴方の蹴りは などと、さらりと言ってしまうあたりも常人ではない 「で?何のよう?」 当たらなかったことに対し機嫌を損ねた新一はぶっきらぼうに尋ねた だがそれに気づいていないかのようにKIDは答える 「聞いていらっしゃらなかったのですか名探偵は?」 むかっ...。 これまた素晴らしい発言をさらりといってしまうKID ソロソロ危険なのでは?と思うがつっこまないで置こう 「私は貴方のことが好きです。私と付き合ってください。」 「...............は。」 いままでにないほどのあほ面で固まる新一 それもそうだろう 確かに女性からなら、告白されたことも手紙を受け取ったこともある しかし、目の前にいる人物は自分と同じ男であり、好敵手でもあるのだ そんな人から告白されたら誰でも固まってしまうだろう 始めてみる新一の表情を楽しみながらまたさらに続けるKID なかなかの勇気である 「耳が遠くなってしまったのですか?私は貴方のことが好きといっているのです。無論交友関係の好きではなく恋愛感情の好きです。」 「.............。」 まだ固まっているようだ 「そうですね....。愛していると言った方が解りやすいですか?ああああ"っ寝ようとしないでください!!!」 新一は今聞いたことの全てを夢にするかのようにもぞもぞと布団に入ろうとしている 所謂現実逃避というものであろう さらに 「夢にしちゃだめか?」 と聞いてくるあたり、ほぼ確実に現実逃避をしたいようである 「夢にしないでください!!!!」 KIDとしてみれば、ありったけの勇気を振り絞って告白したのに、なかったことにされるのは防ぎたい 必死でたたき起こそうとするのであった 「なら、今日から一週間以内に俺が望むものを持ってきたら夢にしないでやるよ...。」 「はぁ...。」 夢にされなかったことの安堵からか、新一の言葉に疑問を持ったからかわからないが、KIDは肩をおとした だがとりあえずヒントでも貰えないかと一つ質問をした 「それは物ですか?」 「自分で考えろ」 だが返ってきた答えは冷たいものであった。 これ以上質問しても無駄だと気づいたKIDは訳のわからぬなぞなぞを解くために一時帰還することにした 「わかりました。ではまた明日この時間にお邪魔させていただきます。」 無論次の日の約束を伝えてから また、蹴りが飛んできてはたまったものではないからな...。 「ああ。がんばれな。」 ふっ 空に飛び立ったKIDは知らないが 新一の最後に残した笑いが気になるのであった 小悪魔的な笑みに....。 +-+-+-+-+- 次の日からKIDは様々なものを用意し工藤邸を訪れるのであった それは、真っ赤な薔薇の花束であったり 新一の好きそうな小説であったり KID特製新一専用の暗号だったり 月日が流れるのは速く 今日で一週間 だがいまだ本当のものは見つからないようであった その証拠に一人の青年が公園で唸って至りもする 「んんんんんんん....。」 今夜もって行くものでその後の人生を大きく左右してしまうかもしれなのだから 悩むのも当たり前かもしれないが マジックようの鳩を出しながら昼の公園のベンチで唸っている光景はなかなか怖いものでもある そばで 「お母さんあのひと変だよ。」 「しっー。見ちゃだめよ」 などという親子の会話があったりもする 「んんんんんんんんん.....。ん?」 しかし ふと気づくと仕掛けの鳩が一羽足りなかった 「あれ?」 快斗は慌てて辺りを見回した すると出入り口近くのベンチにすわっている人と一緒にいる姿を発見!! 鳩たちにはマジック用であるゆえ、少しなら人に懐くようにしてある しかしあそこまで人と仲良くするのは珍しく、快斗は疑問符を浮かべながら近づいてみた だが、数歩歩いた時点で理由がわかった ベンチに座っている人物は先ほどまで頭の中をぐるぐる回っていた工藤新一 そして、いなくなっていた鳩はスコーピオンによって怪我をさせてしまった鳩 鳩には彼が自分を助けてくれた江戸川コナンだということがわかっているのだろう だから、あそこまでなついているのだろう 「ごめん。それ俺の鳩」 KIDの時には見せてくれないような笑顔で鳩に接している新一 快斗は少し鳩に嫉妬してしまったが笑顔で話しかけた 「ああ。お前の鳩だったんだ。よく懐くから誰の鳩かと思っていたんだ」 「そ、マジック用の鳩、ふとよそ見してたらいなくてびっくりしたよ。 ところで、君はこんなところで何しているの?」 普通にいえている? 笑顔できている? なぜかうまくいつものようにポーカフェイスができない 心臓もばくばく鳴っている 快斗は、こんなにも緊張するのは久しぶりだと心のどこかで考えていた 「ああ、人を待っているんだ。」 新一が鳩をあやしながら言った言葉にさらにドキッとする 「えっ?」 「今夜俺の出したなぞなぞの答えを持ってくる奴を待っているんだ」 わざと意味ありげな視線を投げかけながら新一は鳩を返した 「へ...えー。じゃあ答え、返ってくるといいね。」 「ああ、俺は本当のことが知りたいんだ。 偽りではなく真実を。」 じゃあ。 そういって新一は公園から立ち去っていった 「ははは....。」 跡に残された快斗は乾いた笑いをこぼした そんなに深く考えなくても良かったんだ 真実を伝えるだけで良かったんだ 「はは..。」 後から後から零れ落ちる笑いと共に、頬を濡らす液体も止めなく流れ落ちた +-+-+-+-+- そう、新一は全て知っていた 彼が誰で、どんな理由でKIDをしているのか 始めはただ気になる人物として調べていたのに 自分と似たような境遇だから...? 自分にはないものを持っていたから...? 理由なんてないのかもしれない ただ、惹かれていった 好き そう言われた時も、信じられなくて夢でないことを確かめたかった 現実逃避をしたかったのかもしれない 現実ではありえないことだと思っていたから でも、本人から聞きたかったのである だから なぞなぞを出した 自分が真実を言ってもらえるような存在なのか確かめたくて 気づいてくれないから ヒントまで出して だから 早く来い 俺の望む真実をもって今夜 +-+-+-+-+-+-+ その日の夜から工藤邸には一人住人が増えたようである TOP * NEXT |
----------------------------------------------------------- 朔菜梨蘭さまのコメント▼ 新一をあの手この手でオトそうとする快斗(キッド)の甘いお話 というリクエストとなんだか当てはまっていない 気もしますが受け取って頂けると嬉しいです 書き直せと。 仰るのでしたら書き直します |
----------------------------------------------------------- ▼管理人のコメント あああ、素敵なお話をどうも有り難う御座いましたー!! このお話を読んでまず思ったこと… やはり名探偵が求めるのは、どこまでいっても“真実”なんですね〜vv 思わず深く納得してしまいました!!v 「夢にしちゃだめか?」の新一が可愛くて可愛くて…! 思わずぎゅうってしたくなりますねvv(←変態発言) 快斗さんは無事名探偵をオトすことに成功したようで…ん? どっちかって言うと、名探偵から落ちていったのか?笑 どっちにしてもラブラブな結末に大満足ですvv 梨蘭さん、どうも有り難う御座いましたv |