【 初めての贈り物 】 |
『お待たせいたしました。ご予約の商品をお持ちしてまいりました。』 ぱこ 『如何でしょうか?』 『ありがとうございます。いつ見ても、素敵な出来栄えです。』 『ええ私もそう思います。』 『お褒めに頂き誠にありがとうございます。』 『とてもお似合いです。工藤さま、宮野様』 +-+-+-+-+-+-+-+- 「ただいまー。」 何年ぶりだろうか..。 自分の家で「ただいま」を言うのは 両親が海外に出て以来、言った事のない言葉 でも今なら「おかえり」の言葉が返ってくる...。 心地よいスリッパの音と共に.... だが。 ぱすぱすぱす 「新一ー!!!」 今日は心地よいと言うには程遠い、慌しいスリッパの音と共に情けない声が返ってきた しかも 「新一は俺を捨てるの!?」 顔をあわせて初めての言葉がこれだった 「はあ?」 新一は何を言われたのかさっぱりわからず、暫くして間抜けな返事を返した 「だから、新一は俺のことを見捨てるの!?」 瞳をうるうるさせながらエプロン姿の快斗が再び同じ問いかけをする 「ま、待て。誰が?」 「新一が」 「誰を?」 「俺を」 「どうする?」 「捨てる」 「誰から?」 「盗聴器から」 一つ一つ幼い子に聞くかのごとく新一は尋ね、快斗はそれに律儀に答える だが、最後の質問の答えは誰が聞いてもおかしい 普通盗聴器なんてものは持っていない ましてや人に取り付けたりもしない 「盗聴器? 「あっ」 慌てて口を押さえる快斗だったが、声と言うものはもうとっくに新一の耳に届き 頭に刻み込まれていた 口は災いの元と言うがまさにその通りである 「お前、勝手に付けてたんだな...。」 「いや、あの、そのね,,,,。」 だから、言い訳も必要としない いつもの如く盛大な蹴りと雷が落ちてくると快斗は身を小さくして待っていたが 「はぁ」 予想に反して新一は溜息をつくだけだった しかも呆れたような、照れくさそうな感じに 「ほらよっと。今回は許してやるよ、ただし二度目はないからな」 細長い小箱と共に、今度こそ照れながら言うのであった 快斗はこくこく頷きながら渡された小箱を開ける 「お前に貰ったこれ、無くすと困るからな。これなら無くさないだろ。」 箱の中身は銀色のネックレス 銀の四つ葉のクローバー クローバーの一枚の葉には小さなエメラルドグリーンがはめられていた 女性用にも見られるが男性がしていてもおかしくないような作り そして、新一の首には同じ銀色のネックレス こちらにはクローバーではなく銀の十字架 クロスしている真ん中にはサファイヤルブルーがはめ込まれていた そして。 それと共に、以前快斗があげた銀のリングが一緒に通っていた この二つのネックレス 飾りは違うが、施工や雰囲気は同じであった 二人のためだけに作られたと言ってもよい この世に二つしかない 新一からの初めての贈り物 +-+-+-+-+- 後日、色々調べてところによると 新一の服からも、持ち物からも発信機や盗聴器部類の物が出てきたらしい それともちろん、志保ちゃんは選ぶ手伝いをしていただけである 高い利子(ネックレス)と共に BACK * TOP |
----------------------------------------------------------- 朔菜梨蘭さまのコメント▼ クリスマスにプレゼントを....。 と言うことで。 クリスマスには全然間に合いませんでしたが...。 一月にもなってしまいました(泣) 遅くなり本当に済みませんでした。 |
----------------------------------------------------------- ▼管理人のコメント 梨蘭さんより、「7つの贈り物」の最終話、「初めての贈り物」を頂いてしまいました! 前の二話は快斗から新一へ、とのお話でしたが、今回は新ちゃんから快斗への贈り物ですよvv しかも快斗からもらったリングを首から提げるための鎖… なんだかひとつの「気持ち」をふたりで「形」に成した感じで、このほんわかさがたまらなく好きですvv しかもバッチリ志保ちゃんに頼っちゃってる新一(笑) そして何より!やっぱり梨蘭さんの書かれる快斗はたまらなく可愛いんですよ〜!!(*´∀`*) スリッパの効果音がぱすぱすなのも可愛ければ、うっかり「盗聴器」と白状しちゃうのも可愛い!! 梨蘭さん、素敵な地雷品を、どうも有り難う御座いましたー! |