それは、新一も志保もまだ六歳の頃のことだった。
志保はモヴェールよりも人間の血をより濃く受け継いだクォーターだ。
何より人間を忌み嫌うモヴェールの父親は人間の血の混じっていた志保を畏れ、まだ四歳という幼さの志保を捨てた。
そして自力で生きていくだけの力のなかった志保は、炎天の砂漠で衰弱していたところを新一の父親である優作に拾われた。
そこから志保と新一の関係は始まったのだった。
だが、モヴェールの中では人間の血が混ざっているからと捨てられ、人間の中ではモヴェールだからと蔑まれる。
そんな中で育った志保は、助けてくれた優作にも新一にも少しも心を開こうとはしなかった。
いつか捨てられるのなら心を許さない方が楽だと、幼いながらに悟っていたのだ。
けれど優作も新一も根気強く志保に笑いかけ家族≠フ暖かさを――自分たちも父子ではあったけれど、だからこそなんとか伝えようとした。
その事件が起きたのはそんな時だった。
志保がモヴェールであると知った心ない人間の大人たちが、下らない誘拐劇を仕掛けてきたのだ。
がさがさと草を掻き分けて走り抜ける。
心臓と呼吸の音が耳の奧で響いているような感覚。
二人ははあはあと呼吸を乱しながらも、必死で駆け抜けた。
「シホ、だいじょ、ぶかっ」
「…平気」
平気なはずはなかったけれど、それでもそう応えたのは半ば意地だった。
あまりにも心地良い家族≠ナいてくれようとする人に心を許してしまわないための。
自分の呼吸もすっかり上がってしまっているというのに、新一は志保の右手を掴んで懸命に走った。
少女のように愛らしい顔の、細い体のどこにそんな力があるのかと言うほどに。
新一は志保を連れて大人たちから逃げていた。
いつもと同じように父親が仕事に出て行き、それを二人待っていた時に彼らは現れた。
おそらくどちらがどうだと判断に困ったのだろう、二人とも連れだそうとした四人の男たちに無我夢中で抵抗し……
その後は、ただ死に物狂いで走っていた記憶しかない。
不意に、足下の小石につまずいて志保が転んだ。
新一はすぐさま引き返して助け起こそうとしたが、どうやら志保は限界に近かったらしく、立ち上がることができなかった。
「も、むりよ…あなた、にげて、いいから…」
どうせ狙われているのは自分だ。
こんなに優しい人が狙われるわけがない。
どうせこの血≠フせいで狙われているのだから、あなたまで逃げる必要はないのだ、と志保は言う。
すると新一は幼い顔を真っ赤にさせて怒鳴ったのだった。
「ばかやろう!シホを置いていけるか!ぜったい逃がしてやるんだからなっ!」
志保の腕を肩にまわして、引きずりながら歩き出す。
どうしてこんなに必死なんだろうと凝視していると、ふと新一が立ち止まった。
遠くの方で大人達の声が聞こえる。
立ち止まっていたら新一まで捕まってしまうのに。
「…どうしたの?」
不審に思った志保が尋ねると、新一はぎゅっと志保を抱き締めてそっと呟いた。
「ごめんな。ちょっと痛いかもしれないけど…」
どんっ、と突き飛ばされて、疲れ切った体は何の抵抗もなく後ろに倒れる。
そこはちょっとした崖になっていたらしく、志保の小さな体はごろごろと転がり落ちていった。
……その先は、何があったのか知らない。
転がり落ちた時、突き出していた小枝に盛大にひっかけた左手が抉られてしまった。
かなりの出血でかなりの痛みを伴うはずだった。
なのに志保は少しも痛いとは感じず、ただ信じられないと、随分遠くなってしまった頭上を見上げた。
時間をかければ幼い志保にでも上れないことはないけれど、大人たちが新一のもとに辿り着いてしまう方が確実に早い。
それでも必死にのぼった。
左手からは血が溢れていたけれど、そんなことは忘れていた。
ただ血が溢れる手で藻掻きながら呟いた。
「ひど、い…!」
こんなのって、ない。
誰も愛してくれない、誰も必要としてくれない、そう思っていたからこそ生きて来れたのに。
自分は独りだから、守るものも必要なものもないから、自由に生きていけるのだと言い聞かせてきた。
なのに。
そんな自分を唯一想ってくれた人が、自分を庇って傷付くことになるなんて。
本当はもう、形ばかりとなってしまっていた意地はないも同然だった。
素直になるきっかけがなかっただけ。
もうずっと前から、とっくにその存在は大事になってしまっていた。
その彼が、自分を守るためにここに突き落とし、たったひとりで大人たちに……
そんなのは、あんまりだ。
「…しんいち君の、ばかぁ!」
志保の叫びとそれはまさに同時だった。
目も眩むほどの光と共に爆発音が響いた。
志保ははっとして、速度を上げて必死にのぼった。
それでも子供の、しかも疲れきっていた体では随分と時間がかかってしまい、漸く上に辿り着いたのは優作が駆けつけた後だった。
「…志保。良かった、無事だったんだね。おいで。あぁ、手を怪我してしまっているね」
そう言って優しく微笑んだ優作の腕の中には、固く目を瞑った新一。
その体には至る所に血が付着していた。
身につけていた青い服は血の赤で染め上がり黒くなっている。
「しんいち君…」
「大丈夫、眠っているだけだよ」
「寝てるだけ…?」
「そう。だから――」
これは二人だけの秘密にしようね。
血と土が混ざり合って、滅茶苦茶になってしまった志保の左手。
けれど、それよりもずっと滅茶苦茶の――見る影もないもとは人間であっただろう、塊。
「…わかった」
真っ直ぐに優作を見つめた志保は頷いた。
全身に浴びるほど血をつけた新一は、後頭部に傷があるだけだった。
志保の表情は自嘲で歪んでいた。
すっと左腕の袖が捲られ、顕わになった白い肌には多分一生消えることのない傷痕があった。
「彼の記憶は故意に封じられたものよ。優作さんが…どうやったんだか知らないけど、やったのよ。私のために、彼が六歳の幼い心で人を殺してしまったという事実を忘れさせるために」
それでも漠然とした何かを感じていた新一は、それから間もなくして軍人になることを決意した。
そしてその時にはすでに黒を纏うようになっていた。
「貴方も気付いてるんでしょ?彼の黒の意味を。あれが、今まで奪ってきた命全てを一生背負っていく彼の覚悟なのよ」
それがどんなに重くても、たとえ潰れてしまおうとも。
「…知ってる」
そういうことか、と快斗は納得した。
忘れてはいけなかったと言っていた意味。
このままにしていてはいけないと言っていた意味。
そして、新一がどこに何をしに行ったのかも。
快斗はこの五日間、まるで生活を忘れるかのようにあらゆることに打ち込んだ。
仕事、特訓、調べものに勉強……
少しでも早く新一のいない時が過ぎるようにと思ってのことだった。
そしてその時に知ってしまったのだ。
――光≠ノついて。
戦場であのコゴロウを相手にした時から気になってはいた。
そして偶然にもがむしゃらに文献を調べているうちに知ってしまったのだ。
光≠ニはモヴェールの正式な王の尊称。
そして光≠ヘ生まれつき不思議な力を持っている、ということ。
志保の話の中での爆発音が、その力だとすれば。
光≠ニ呼ばれるのは……
その時、扉が開いた。
あの特殊な音と共に響いた靴音。
振り向いた快斗の瞳が大きく見開かれる。
少し大きめの軍服を、それでもきっちり着こなした細身の体。
ゆったりと結われた長い黒髪が右肩から胸へと流れ落ちる。
蒼い、蒼い。
焦がれてしょうがなかった双眸が。
「しん、いち…」
無意識に伸ばした腕をしっかりと掴んでくれたその人は、にこりとやわらかく微笑んだ。
逢えなかったのはたった五日。
……けれど、五日。
逢いたいと焦がれ、どうしようもないほどに想い続けた。
もう本当にどうしようもないところまできて、追いかけようとまで思った。
その人が目の前にいて、微笑んでいる。
胸が、一気に熱くなった。
伝わる熱は、体の全てで覚えた確かなその人の暖かさ。
快斗は力の限りに引き寄せて、思いの限り、新一を抱き締めた。
蒼い瞳を真っ向から見据えれば、新一の手が包むように頬へと添えられ、快斗は切なげに瞳を細める。
「ただいま、快斗」
微笑んで、目を閉じて。
ふわりと、新一の唇が快斗のそれに重ねられた。
……堪えていた何かが吹き飛ぶような感覚。
快斗はぐっと歯を食いしばり、新一の首元に顔を埋めながら絞り出すように言った。
「少し、席を、はずしてくれないか…っ」
微かに震える快斗の手が新一の手を求めて彷徨う。
新一はその手を引き寄せ、指を絡め、ぎゅっと力を込めて握った。
半ば呆然とその様子を見守っていた志保と服部は、快斗の声にはっと我に返る。
が、頷こうとした志保に反して服部は複雑な表情で新一を見つめた。
その顔には聞きたいことがある、と書いてあったけれど、新一は敢えて見ない振りをして。
「頼む。暫く、二人にしてくれ」
「…ええ。ほら、行くわよ、服部君」
服部の腕を掴んで志保はさっさと扉へと向かう。
すれ違い様、意味ありげな笑みを残して行った志保に新一は思わず苦笑してしまった。
やはり彼女にはいつまでたっても適いそうにない、と。
独特な音を鳴らしながら扉が閉まり、この空間に二人だけとなる。
その瞬間、新一は前触れもなく抱え上げられ、噛みつくような激しいキスを仕掛けられた。
食らいつかれ、呼吸する間も煩わしいとばかりに貪られる。
激しいキスを受けながら、新一は快斗に運ばれてベッドへと押し倒された。
並べられていた椅子がけたたましい音を立てて転がったが、そんなものを気にしている余裕は互いになかった。
荒くなっていく呼吸の合間に何度も何度も名前を囁かれる。
「新一、新一、新一!」
「快斗…」
ぽつりと頬に伝ってきた冷たい滴に、新一はたまらなくなる。
快斗の目から溢れ出す涙を優しく唇で拭ってやりながら、抱え込んだ髪を優しく梳いた。
「待たせてごめん。心配かけてごめん。それから…黙って行かせてくれて、ありがとう」
「しんいち、…ぃち、…逢いた、かった…っ」
「…俺も、お前に逢いたかった…」
いくらお互いの服を着ていたって、いつも想っていたって、確かな熱を感じられないのは辛かった。
「全部話すから…、聞いてくれるか、快斗」
このたったの五日で、新一は自分の人生が百八十度変わってしまいそうな真実ばかりを知らされた。
その真実を快斗にまで背負わせることになるかも知れない。
決して軽くはない秘密を、それでも快斗は聞いてくれるだろうか。
だが所詮、そんなものは杞憂でしかないのだ。
「当たり前だっ」
新一のことなら過去の記憶も今の気持ちも、これからのことも全て知りたいと。
その上で全てを受け入れたいと。
当然のようにそう思う。
「新一が望むなら何も言わずにだっている。でも、覚えてて。俺はいつでも新一のことを知りたいと、俺のことを知って欲しいと思ってるから…」
新一は快斗の腕の中で、泣き笑いのような表情を浮かべた。
なんでこいつはこんなにも俺の心を掴むのがうまいのだろうか、と。
けれど、今更泣かない。
たとえ遠い過去で、自分が六歳にして人を殺めていたとしても。
それを忘れていた自分が、まるで過去を清算するように涙を流したりはしない。
それすらも抱え込んでやるのだ。
抱え込んだ上で、自分にできる限りのことをしていく。
今なお命を奪い続けている自分に、できる限りのことを。
この黒はそのための誓いだ。
だから。
今は――今だけは。
「今だけ…俺の中を、お前だけにしてくれ…」
絞り出すようにそう呟いて、新一は隠すように目を覆ってしまう。
快斗はその気持ちを違うことなく理解し、優しく優しくキスをした。
こうでもしなければ、新一は泣くこともできないのだ。
流す涙は死者への餞ではなく、もちろん自分へのものでもなく。
お前のために泣くのだと、言い訳がなければ泣くこともできないなんて、もどかしいほどに不器用だ。
それでも、その涙を見せる場所に自分の腕の中を選んでくれるのだから。
これほど幸せなこともない。
どんな心にも休むことは必要だ。
同じペースで進み続けることなど、まして速度を上げながら進み続けることなど不可能だ。
だから、十二年前からただひたすら走り続けてきた心に、安息を。
奪ってきた、奪われた命に――哀悼の涙を。
扉を出た途端に聞こえた何かを蹴散らしたような転がるような物音に、服部は反射的に踵を返しかけた。
けれどその肩を志保に掴まれ、飛び込むこともできずにたたらを踏む。
「野暮な真似しないで頂戴」
「せやかて、今…っ」
「知ってるでしょ、あの二人の関係。彼…まともに声も出せないぐらい、逢いたがっていたのよ」
あそこまで思われれば、工藤君も幸せよね。
まだ何かと葛藤している様子の服部に溜息を吐き、志保は服部の手を掴むと歩き出した。
さすがに振り払うわけにも行かず、服部は大人しく引かれながら拗ねたように言った。
「ドクターは納得してるんか?工藤らのこと…」
「納得も何も、あんな顔してる工藤君が不幸せなわけないじゃない」
新一とは四歳からの付き合いで十四年も共に過ごしてきたけれど、志保は新一のあんな表情は見たことがなかった。
あんな、穏やかだったり切なそうな表情なんて……
好きだから、切なくなる。
それは愛してるからこそ感じることのできる感情だ。
哀しくもあるけれど、時にひどく甘くもある。
お互いをこれ以上なく大事に思い合ってる彼らを、誰が否定などできるのか。
「工藤君には私達が必要よ。馬鹿なことで笑い合える貴方も、彼の相談を、時には強引にでも聞いてあげられる私も。だけど、黒羽君は絶対に必要不可欠な存在なのよ」
わかるでしょう?
「彼なら、工藤君を休ませることができる。癒すことなら私にもできるわ。けどそれは、彼じゃなきゃできないことだもの」
「…それもそうや、な。なんやちょお悔しいけど、…大佐は信用できる思うし…」
仏頂面ではあったが服部は漸く納得した態度を見せた。
悔しいのは志保も同じなのだ。
助けられた相手を助けられないのはとても歯がゆい。
けれど何が一番大事か、理解することはできる。
何を最も優先すべきなのかを。
「まぁ、一時間くらいは猶予をあげましょう。それからゆっくり聞かせて貰うわ」
……それぐらいなら、話してくれてもいいでしょう?
まるで何事もなかったかのように落ち着いた様子の二人に、志保は思わず苦笑してしまった。
この二人はそれぞれ天才と名高い将校だと言うのに、お互いの存在がなければまるで駄目になってしまうのだ。
こうして二人揃って初めて漸く落ち着くことができるなんて。
だがそれぐらいが彼らには丁度いいのかも知れない。
先ほどよりずっと艶の増した、さらに首筋辺りに赤い鬱血の見られる新一をまともに見られない服部は、片手で顔を覆って俯いている。
志保は平然と四人分のお茶を入れながらそんな服部を情けないわねと一瞥した。
新一はと言えば離れたがらない快斗にしっかりと腰に腕を回され、二人並んでベッドに腰掛けていた。
「で、話してくれるんでしょ?」
悠長にお茶を受け取った新一に志保がそう釘を差せば、新一は勿論だと頷く。
全員にお茶を渡し、志保はベッドの向かいの椅子に腰掛けた。
服部は相変わらず扉の前で俯いている。
話し出そうとした新一を遮るように、志保が尋ねた。
「…貴方、やっぱり光≠ネのね」
「…知ってたのか」
「知らないわよ。聞いたことがあっただけ。私に光≠見る力はないもの」
「あぁ、志保は人の血の方が強いから…」
純粋なモヴェールなら光≠ナある証、瞳の蒼い輝きを識別することができる。
けれどより人間に近い血を持つ志保には見えないのだろう。
「ちょお待ってーな、その光≠チて何なん?」
ひとりわからない顔をした服部が口を挟む。
そう言えば、戦場で頭らしきモヴェールがそんなことを叫んでいた。
快斗と同じく前線に出ていた服部はその単語を記憶の端に覚えていたのだ。
新一は僅かに視線を泳がせた後、腰にまわされている快斗の手を上からぎゅっと握った。
自分が光≠セと言うことは、つまり人間ではなくモヴェールだと言うこと。
そんなことを気にする奴ではないと思う。
それでも――受け入れられなかったらどうしよう、と。つい不安になる。
けれどその不安を打ち消すように、快斗は新一をぎゅっと抱き寄せた。
俺は、何があってもお前を離さない
先ほど言われた言葉を心の中で反芻する。
快斗の声はいつも新一を落ち着かせてくれた。
信じたいからというだけではない。
そこに偽りはないと信じさせる不思議な力で、安心させてくれるのだ。
想うだけで強くなれる。
新一は意を決したように言った。
「光≠ヘ、モヴェールの王のことだ」
「!」
驚きに見開かれる服部の目を見て、新一は更に手に力を込めた。
「でも、モヴェールには生き別れの新一の弟がいるんだ。そいつを叩き起こすために新一はモヴェールの領地に行ってた」
「…五日もかかっちまったけどなんとか起こしたし、コナンって言うんだけど、これからはあいつがモヴェールの王に就くはずだ」
「だからもう光≠奪いにモヴェールが攻めてくることはない」
まあ奪いに来たところで死んでも渡さねーけど。
ぼそりと呟かれたその言葉を聞いてしまった新一は耳が熱くなるのを感じた。
と、そこで服部が漸く堅くなっていた表情を綻ばせた。
「ほんまかっ?工藤、連れてかれたりせーへんのやなっ!」
「え?あ、あぁ…」
「良かったぁ〜…工藤連れてかれたらどないしよ、思たわ…」
力が抜けたとばかりに壁を背にずるずると座り込んだ服部。
新一は一瞬きょとんとその様子を眺め、次いで嬉しげに微笑むと快斗の胸へと顔を埋めてしまった。
…嬉しくて涙が出そうだ。
拒むどころか心配してくれる服部。
何も言わなくても微笑んでくれる志保。
そして、誰よりも自分をわかろうとしてくれる、快斗。
彼らがいれば大丈夫だ、と。
たとえ自分の出生が未だはっきりしなくとも、血なんか関係なく、こうして笑い合える者ばかりだから。
「サンキュ…心配かけて悪かった…」
それだけ言うのが精一杯だった。
物心ついた時から人前で涙を流さなくなった新一は涙を堪えるのに必死だ。
「新一の心配ならいくらでもしたいって言うような奴ばかりなんだから、気にすんなよ」
「せや、心配ぐらいさせろや!」
「今に始まったことじゃないのに、今更気にされても困るわね」
三者三様の言いように、どうして彼らはこうも自分を喜ばせるのがうまいのだろう、と新一は思う。
おかげで堪え切れそうになかった数滴の涙を快斗の胸に隠すはめになり、そうして新一は長くなるだろうこれまでの話をゆっくりと話し始めた。
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新一と志保にはそんな過去が!?
いや、第二話で消えない傷がどーとか書いちゃったし。ちみちみとした伏線を消化しようかとv
てゆーか…この快新っていつの間にこんな甘くなったんだ…。
いつもいつも思うけど、服部は気の毒だ。(そんな書き方しかしてないんだけど。笑)
とにかく第二章、終了です。お付き合い有り難う御座いましたvv
第三章は…色々と交錯中です。